高血圧

 歳を重ねると、男性も女性も血圧が上がって、いわゆる高血圧になる方がいます。女性に比べて、断然男性の方が高血圧になる傾向が高いです。

 高血圧症になると何が一番怖いかというと、脳出血や大動脈解離です。運が悪ければ、どちらも命取りになりますから。未治療で放置すると、他のリスクファクターも加わり、脳梗塞や心筋梗塞になる可能性が出てきます。こちらは、後遺症を残すような発症をしたら、その後の日常生活が大変不便になります。

 さて、治療法になりますが、原因を特定できる一部の高血圧症以外の高血圧に対して、一律に降圧薬を処方するのが一般的です。しかも、一旦降圧薬を飲みだすとやめられないと言われた人も多いと思います。

 はたして、そうだろうか??

 私は、高血圧症に対しては、降圧薬を処方することはほとんどなく、基本中の基本である食事と運動療法をやってもらいながら、その人の体質に合わせて漢方薬を選んで処方します。

 「高血圧症に漢方は効くの?」なんて思っている方もいると思いますが、体に合うものであれば、効果があります。

 先日、血圧が200/100台の患者さんに、腎を強化(東洋医学では生命の根源を司ると考えられている所。年齢を重ねるとここのパワ−が減って、気を下に降ろすことが難しくなり、その結果気が頭の方に上がり、高血圧になる方がいます。そういう方に、腎を強化すると気が下に下がり、血圧が安定しやすくなります)し、血流をよくする(淀んだ血液の流れを良くするだけでなく、造血も同時に促し、血液の循環をよくする)漢方を処方し一ヶ月後に来てもらったところ、血圧が120-140/60-70に落ち着いてました。さらに、両側の変形性膝関節症による膝の痛みと膝裏のつっぱり感がとれ、膝の調子もよくなり、両足に力が出てきて、しっかりと着地が出来るようになったと嬉しそうに教えてくれました。

 この患者さんは以前降圧薬を飲んで、体調を崩したことがあったようで、それ以降は血圧が高くても放置していたそうです。血圧が200/100を超えていたので、見かねて漢方を勧め処方したところ、半信半疑で飲んでくれたようです。帰り際に、「膝が楽になったのが嬉しい。この漢方は私にはあっているようなので、続けます」と言ってくれました。

 いつも実感していることですが、漢方薬で治療をさせていただくと、患者さんの病気はもとより、体の他の部位がよくなったり、アレルギーが軽減したり、顔のくすみがとれたり、シミがうすくなったりします。例を上げたらきりがないくらいです。元気になられていく過程を見させて頂けるのは本当に嬉しいです。

 体調不良などがありましたら、是非一度漢方もお試しくださいね。

 

2018年09月07日 00:00